Xリーグプレミア初年度の開幕が迫る 各チームが語ったライバルと目標、浮かぶ勢力図
【フォトセッションでポーズをとるXリーグプレミア11チームのキャプテンたち:左からオール三菱LB海﨑琢、IBM WR近江克仁、東京ガスDB富田幸生、ノジマ相模原RB吉澤祥、オービックDB坊農賢吾、パナソニックWR山下宗馬、SEKISUI QBギャレット・サフロン、富士通OL大久保壮哉、エレコム神戸DL伊藤慧太、富士フイルム海老名OL加倉井翔、OrientalBio LB羽田直輝(敬称略)©X LEAGUE】
Xリーグの新カテゴリー「Xプレミア」初年度がすぐ迫ってきた。その幕開けを前に20日に都内のオリンピックスクエアで行われたプレスカンファレンスでは、11チームの首脳陣とキャプテンが顔を揃えたが、そこにあったのは単なる「開幕前の意気込み」ではなかった。リーグの未来をどう戦うか――その輪郭が、パネルディスカッションを通して浮かび上がった。
5月3日、昨季ライスボウルの再戦となるパナソニック インパルス対オービックシーガルズ戦(東京ドーム)で開幕。11チームによる総当たり、そして7月から8月のサマーブレークを挟み11月まで続く長いレギュラーシーズン。この新リーグの特徴は制度面にも表れている。出場登録選手は65人から、試合に出る資格のある「シーズンロースター」の53人、さらに試合当日の出場登録である「ゲームロースター」48人へと絞られる。加えてシーズン中の移籍も解禁された。選手の流動性が高まる一方で、チーム内の競争はより激しくなる。
そうした変化を背景に行われたパネルディスカッションは、今季の構図を映し出す場となった。
【パネルディスカッションに参加するXリーグプレミア全チームのキャプテン(前列)とヘッドコーチたち ©X LEAGUE】
まず、各チームが口を揃えたのは「目標は日本一」という一点。ただし、その言葉の裏にあるニュアンスは一様ではない。連覇中のパナソニックはあくまで“守る側”としての覚悟をにじませる一方で、富士通フロンティアーズは「2年連続で優勝を逃している」と現状を認めた上での再奪還を掲げた。エレコム神戸ファイニーズは「まずはベスト4の壁を破る」と段階的な目標を設定し、オール三菱は「下からかき回す」と明確に挑戦者の立場を打ち出した。
ライバル関係も興味深い。オービック、SEKISUIチャレンジャーズ、富士通、エレコム神戸の4チームが揃ってパナソニックを最大のライバルに挙げた一方で、パナソニック側は富士通を指名。王者と追う側の構図ははっきりしている。ただ、すべてが単純な上下関係ではない。富士フイルム海老名Minerva AFCはIBM BIG BLUE、オール三菱ライオンズはエレコム神戸と、それぞれ開幕節の相手をライバルに挙げた。短期的な対戦への意識も色濃く、リーグ全体に緊張感が広がっている。
【プレスカンファレンスでXリーグプレミアの概要について説明する日本社会人アメリカンフットボール協会並河研理事長 ©X LEAGUE】
一方で、ノジマ相模原ライズは「すべてのチーム」と答え、IBMやOrientalBioシルバースターは「特定のライバルはいない」とした。戦力が拮抗するリーグにおいて、「全方位が敵」という認識もまた現実だ。
個人レベルの対抗意識にも、プレミアならではの多様性が現れる。IBMのWR近江克仁が「自分自身」と語れば、オービックのDB坊農賢吾はチームメイトのDB小椋拓海を挙げる。東京ガスのDB富田幸生はSEKISUIのWRブギー・ナイトの名前を挙げ、オール三菱のLB海﨑琢は実兄悠(富士通)の名を口にした。
また、注目選手として各チームのキープレーヤーが挙げられた。パナソニックはWR鈴木崇与とDL塚本直人、オービックはQBピアース・ホリー、SEKISUIはRB伊丹翔栄、富士通はOL森本恵翔とDB東田隆太郎など、攻守の軸となる選手が挙げられた。ロスター制限の影響もあり、こうした「限られた48人」の質が勝敗を分けるシーズンになる。
制度は変わった。戦い方も変わる。そして、リーグの意味も問われる。
パネルディスカッションで交わされた言葉の一つひとつは、そのすべてを示していた。Xリーグプレミア初年度は、単なる新シーズンではない。日本アメリカンフットボールがどこへ向かうのか――その現在地を映すシーズンになる。