オービックシーガルズに関する一連の調査および懲罰処分について
一般社団法人日本社会人アメリカンフットボール協会は、オービックシーガルズに対するプロ契約選手に関する競技運営規程違反の疑いについて、懲罰委員会を設置し、調査を行ってまいりました。
本件については、これまで2026年8月28日および9月11日に懲罰処分を公表してまいりましたが、これまでの公表では個々の処分内容が中心であり、一連の経緯や調査の進捗について、ファン、関係者、加盟チームの皆さまに十分にお伝えできていない部分がありましたが、本開示にて、以下のとおり、「調査の発端」「調査プロセス」「現時点の調査結果と処分内容」「継続調査・確認事項の状況」についてご説明いたします。
1.調査の発端
Xプレミアでは、競技の公平性を確保するため、各チームのプロ契約選手の人数を4名までと定めています(競技運営規程第26条)。
しかしながら、2026年4月17日の選手登録日以降、加盟チームから他チームの4名を超える「プロ契約と疑われる選手」の確認を求める声が寄せられました。
そこで、協会は、全11チームに対し、「自チームがプロ契約選手の上限人数を遵守していること」を確認するとともに、「他チームのプロ契約と疑われる選手」の情報提供を要請しました。
加盟チームからの情報提供の結果、協会は、プロ契約人数違反の疑いがあるチームの存在を認識しました。
そこで、同年5月19日の理事会において、弁護士を含めた懲罰委員会を設置し、複数のチームを対象に、調査を開始しました。
(懲罰委員会メンバー)
委員長:島居浩司(協会副理事長)
委員:荒木延祥、菅野由実、富永一(協会執行本部)、髙橋壮介(協会顧問弁護士)
※ 懲罰委員会発足に際しては、OFC社代表であって、特別利害関係を有する並河理事長(当時)を懲罰委員から除外し、並河理事長は、本件に係る懲罰委員会の活動及び意思決定には一切関与しておりません。
また、並河理事長及び、過去にオービックシーガルズの関係者であった協会の渡部本部長に対して、協会が有する本件に関する情報を遮断し、懲罰委員会の審議及び意思決定プロセスに一切関与できない措置を講じております。
2.調査プロセス
懲罰委員会では、まずリーニエンシー期間(協力や自己申告を考慮して処分を免除する期間)を設け、自己申告を受け付けることとしました。開始日の2026年6月18日から締切日の7月5日までの間に、2件の申告がありました。
1件に関しては、オービックシーガルズ以外からの申告でしたが、懲罰委員会において内容を精査したところ、リーグ規程に抵触しないものと判断しました。もう1件は、オービックシーガルズからの申告であったところ、協会は、当該申告に基づき、チームが契約する居室を選手4名に提供していた事実を確認し、リーグ規程上の「プロ契約選手」に該当する状態にあったものと認定しました。ただし、当該申告は、上述のリーニエンシー期間内にオービックシーガルズの古谷拓也GMから申告され、かつ、その後違反行為を解消する対応が行われた(※)ことから、懲罰委員会としては、当該違反事実について、懲罰処分の対象とはしませんでした。
※ 当該選手は、これまで住宅提供されていた期間の家賃をオービックシーガルズへすべて返済し、以降は提供を受けない状態となっていることを確認しました。
しかしながら、リーニエンシー期間における申告では、協会が把握した疑義事案のすべてに対する情報を得ることはできなかったことから、懲罰委員会は、残る疑義事案を確認する調査を実施することとしました。
調査内容としては、複数のチームを対象に、関係者へのヒアリング、及び、確認資料の提出などとなります。
3.現時点の調査結果と処分内容
懲罰委員会による調査の結果、オービックシーガルズ以外のチームにおいては、リーグ規程違反の疑いは、すべて解消されました。
しかしながら、オービックシーガルズに関する、以下の二件の競技運営規程違反の疑義は、2026年7月7日から8月27日の間になされた懲罰委員会からオービックシーガルズへの複数回にわたる関係者ヒアリングと提出資料の内容確認の結果では、解消されませんでした。
・ 競技運営規程 第26条(プロ選手契約)人数制限の違反①
プロ契約選手の登録がされていないオービックシーガルズ所属選手1名について、オービックシーガルズから、アメリカンフットボール選手の活動の対価としての経済的利益に該当する、トレーニング費等活動費が支給されていると疑われる案件
懲罰委員会は、調査の結果、オービックシーガルズ所属選手1名については、プロ契約選手の登録がされていないにもかかわらず、オービックシーガルズから、2025年12月から3月の間にトレーニング費等活動費が支給されていたことを確認しました。この支給は、競技運営規程第9条第9号の「プロ契約選手」の定義に定める「アメリカンフットボール選手の活動の対価として」の「経済的利益の提供」に該当し、当該選手は「プロ契約選手」に該当するものと認定し、競技運営規程第26条のプロ契約選手の人数制限違反と判断しました。
懲罰委員会は、この違反について、同年8月28日、当該選手1名を厳重注意、オービックシーガルズの運営法人である株式会社OFC並河研代表およびオービックシーガルズ古谷拓也GMを1か月間の資格停止としました。
・ 競技運営規程 第26条(プロ選手契約)人数制限の違反②
プロ契約選手の登録がされていないオービックシーガルズ所属選手2名について、オービックシーガルズから、同選手らが所属する会社を経由して、アメリカンフットボール選手の活動の対価としての金員または経済的利益の提供が行われていると疑われる案件
※ 本件に関しては、現時点において違反は確定しておらず、継続調査中であるため、詳細内容について公表することはできません。
<追加処分>
・ 競技運営規程第27条(調査及び協力義務)の違反
懲罰委員会が上記疑義案件についてさらに継続調査を進めたところ、並河研代表および古谷拓也GM(強化部長)は、協会の調査に対し、事実に反し、あるいは不合理又は相互に矛盾する複数の資料の提供及び説明を行い、また、当協会の調査に対し非協力的な対応を行った事実が認められました。
懲罰委員会は、上記事実をもって、競技運営規程第27条の定める協会の調査に対する協力義務違反と判断しました。
懲罰委員会は、この違反により、2026年9月11日、並河研代表および古谷拓也GMを無期限の資格停止としました。
・ 競技運営規程第39条(6)NFAの規程に定めのある違反行為 の違反
懲罰委員会は、また、並河研代表について、資格停止処分期間中であった2026年8月30日に、公式試合会場へ来場したことを確認しました。
懲罰委員会は、かかる事実についても、競技運営規程第39条第6号に定める「NFAの規程に定めのある違反行為」に該当するものと判断いたしました。
懲罰委員会は、この違反により、2026年9月11日、並河研代表に罰金20万円を科しました。
4.継続調査・確認事項の状況
上記の通り、競技運営規程上のプロ契約選手の登録がされていない選手でありながら、「アメリカンフットボール選手の活動の対価として」の「金員の支払いまたは経済的利益の提供」を受けている疑義が残るオービックシーガルズ所属選手が2名おります。協会では、2026年9月15日の理事会において懲罰委員の増員を決定し、協会及びオービックシーガルズとの間に重要な利害関係を有しない、独立した専門家である田中美穂弁護士、川中宏介公認会計士・CPAを、新たに懲罰委員に任命いたしました。当該選手2名については引き続き調査を継続すると共に、疑義が払拭されるまで公式戦への出場を自粛するよう強く求めています。
また、並河研代表および古谷拓也GMが資格停止処分となったことから、次に責任ある立場である事業部部長およびヘッドコーチに対しても、懲罰対象ではないものの、上記疑義が払拭されるまで、公式戦に関わる職務を自粛し、疑義の払拭に努めるよう求めています。
さらに、オービックシーガルズに対しては、2026年8月28日の処分時に改善・再発防止策の策定および実施計画の提出を求めていましたが、指定した同年9月10日の期限までに報告書が提出されませんでした。
このため、改めて2026年10月11日を提出期限として、原因の究明、組織体制・ガバナンスの見直し、社内規程・ルールの整備、教育・研修の実施、再発防止策の実行と検証、協会のモニタリング・継続調査への協力を含む改善・再発防止策の策定および実施計画の提出を求めており、オービックシーガルズが当該再設定した提出期限までの提出に向けて準備を進めていることを確認しております。
■当協会は、本件を厳粛に受け止めています。
また、本件に関するこれまでの情報発信についても、一連の経緯や調査状況をより分かりやすくお伝えする必要があったものと認識しています。
今後は、ファン、関係者、加盟チームの皆さまに必要な情報を適切にお伝えするとともに、リーグの公平性および信頼性を守ることを最優先に、現在も確認が必要な事項について調査を継続してまいります。
あわせて、オービックシーガルズにおける改善・再発防止への取り組みについても継続して確認し、必要に応じてその状況をお知らせしてまいります。
■一連の経緯(協会の動き)
2026年5月11日 | 各チームへ情報提供の依頼(Xリーグプレミア実行委員会) 2026年4月17日の選手登録日以降、プロ契約選手の登録人数について確認を求める声が寄せられている状況を共有し、 全11チームに自チームのプロ契約選手の上限人数の遵守を確認し、他チームのプロ契約と疑われる案件の情報提供を要請しました。 |
5月19日 | 懲罰委員会の設置(理事会) 加盟チームからの情報提供の結果、プロ契約人数違反の疑いがあるチームの存在を認識。 情報提供結果を報告し、本件に関する弁護士を含めた懲罰委員会の設置を決定し、複数のチームを対象に調査を開始しました。 |
5月26日 | 懲罰委員会による調査方針の報告(Xリーグプレミア実行委員会) 2026年5月25日に開催された第1回懲罰委員会における今後の調査方針等について報告しました。 あわせて、11チームの代表者は、本件に関する懲罰対応について、懲罰委員会の判断に委ねることで合意しました。 |
6月18日〜7月5日 | リーニエンシー期間の設定・調査 2回の懲罰委員会を経て、リーニエンシー期間を設け、自己申告を受け付けることとしました。 自己申告受付期間は2026年6月18日から7月5日としました。 |
7月7日〜8月27日 | プロ選手ではないことを確認する調査の実施 リーニエンシー期間では、協会が把握した疑義事案のすべてに対する情報は得られなかったことから、 懲罰委員会は、残る疑義事案を確認する調査を実施することとしました。 調査内容としては、複数のチームを対象に、関係者へのヒアリング、及び、提出資料の確認などとなります。 |
8月28日 | 第1回処分 選手1名に対する活動費等の支給を「アメリカンフットボール選手の活動の対価として」の「経済的利益の提供」に該当し、 当該選手は「プロ契約選手」に該当するものと認定し、当該選手1名を厳重注意、並河研代表および古谷拓也GMを1か月間の資格停止(※)としました。 ※競技運営規程 第26条(プロ選手契約)人数制限の違反 |
9月11日 | 追加処分 調査の過程において提出資料や説明に事実に反するもの、不合理なもの、相互に矛盾するものがあり、 調査に対して非協力的な対応を行った事実を認め、並河研代表および古谷拓也GMを無期限の資格停止(※1)としました。 また、並河研代表が資格停止期間中の2026年8月30日に公式試合会場へ来場したことについて、罰金20万円の処分(※2)を決定しました。 ※1:競技運営規程第27条(調査及び協力義務)の違反 ※2:競技運営規程第39条(6)NFAの規程に定めのある違反行為 の違反 |
9月13日 | 富士フイルム海老名 Minerva AFC 対 オービックシーガルズ戦の中止 2026年9月13日(日)14時より海老名運動公園陸上競技場にて開催を予定していた「富士フイルム海老名 Minerva AFC 対 オービックシーガルズ」について、 富士フイルム海老名 Minerva は、本試合に参加せず、本試合は中止となりました。 |
9月15日 | 懲罰委員会メンバーの増員(理事会) 2026年9月15日理事会で懲罰委員の増員を決定し、独立した専門家である田中美穂弁護士、川中宏介公認会計士・CPAを、新たに懲罰委員に任命いたしました。 【懲罰委員会メンバー】 委員長:島居浩司(協会副理事長) 委員:荒木延祥、菅野由実、富永一(協会執行本部)、髙橋壮介(協会顧問弁護士)、田中美穂(弁護士)=新任、川中宏介(公認会計士・CPA)=新任 |
9月15日 | 富士フイルム海老名 Minerva の行動に対し懲罰委員会の設置(理事会) 2026年9月13日における、富士フイルム海老名 Minerva AFC が公式戦に参加しなかった事案について、 競技運営規程第8条が定める「チームは協会が指定する公式戦に参加する義務」の違反および第39条(懲罰の対象)4号「公式戦の棄権または試合放棄」に該当する疑義があるため、 同事案に関する懲罰委員会を招集いたしました。 |
現在 | 継続調査・改善状況の確認 オービックシーガルズの所属選手2名について「金員の支払いまたは経済的利益の提供」が行われていると疑われる件については、 現在も、調査・確認を継続しています。 あわせて、オービックシーガルズに対し、2026年10月11日までに改善・再発防止策の策定および実施計画を提出するよう求めています。 ※本リリース内「3.現時点の調査結果と処分内容:競技運営規程 第26条(プロ選手契約)人数制限の違反②」の件 |
■オービックシーガルズとの合意事項
2026年9月12日|オービックシーガルズから当協会への申告内容 オービックシーガルズは、一連の問題で対象となった選手について、9月13日の富士フイルム戦に出場させない旨を表明し、リーグおよび対戦チームと合意しました。 9月15日|オービックシーガルズから当協会への申告内容 オービックシーガルズは、一連の問題で対象となった選手について、9月21日に開催されるオール三菱との試合を含む2026レギュラーシーズン期間、公式戦への出場を自主的に見合わせる旨を表明しました。 また、9月11日の懲罰通知書で、公式戦の活動自粛を要請された2名についても、継続疑義が払拭するまでの間活動を自粛することも併せて表明しました。 加えて、現在も疑義が継続している件については、懲罰委員会による審議に対し、誠心誠意対応するとともに、事実関係の確認に全面的に協力いたしますとの意思表明もありました。 |