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自分を求めてくれたIBMのために DB藤田快人が2INTでゲームMVP

【インターセプトを決めてチームメートの中谷祥吾(右)から祝福されるIBM BIG BLUE DB藤田快人 ©X LEAGUE】

2つのインターセプトで、IBM BIG BLUEに流れを引き寄せた。
9月12日に行われた第6節のオール三菱ライオンズ戦で、IBMのDB藤田快人が相手のパスを2度奪い、24対10の勝利に貢献。ゲームMVPに選ばれた。

「1個目のインターセプトはまぐれだったんですけど、2個目はちゃんと狙いを持って取ることができた。チームの流れを変えられて良かったです」と藤田は最初のインターセプトについては謙遜したが、2つ目は相手の狙いを読み切った上でのプレーだったと語る。個人として確かな手応えを得た一方で、藤田がそれ以上に喜んだのは、チーム全体が見せた戦いぶりだった。

【オール三菱RBアイザイヤ・マルコムをタックルするDB藤田快人(左) ©X LEAGUE】

この日は、今季から指揮を執るジョン・スタントンヘッドコーチが不在。藤田ら選手がその事実を知らされたのは、試合当日の朝だったという。
「びっくりしましたけど、あそこでブレないのが今年のチームの良さです。いい意味で、あまり変わらなかった。みんながカリスマ性のあるジョンに頼らず、主体性を持って取り組んできた成果が現れたと思います」

指揮官を欠く緊急事態にも動じず、IBMは攻守とスペシャルチームで主導権を握った。藤田の2つのインターセプトも、選手一人ひとりが自分の役割を理解し、主体的に動いた先に生まれたものだった。
今季のIBMは初戦こそ黒星を喫したが、そこから試合を重ねるごとにチーム力を高めてきた。大きな変化のきっかけは、技術や戦術以前の部分にあった。
「みんなで集まるとか、そういう当たり前のところにフォーカスし続けてきました。以前は土日に会うだけという感じだったんですけど、今は平日にどんな取り組みをしているかもシェアしています。言い方はあれですけど、仲良くなりましたね」

【対オール三菱戦で8キャッチ、187ヤードレシーブで勝利に貢献したWRリース・ホーン ©X LEAGUE】

年齢やポジションの垣根を越えて、選手同士の距離が縮まった。夜遅くにチームメートがトレーニングしていると知れば、「あいつがジムに行っているなら、俺も行こう」と刺激を受ける。グラウンド外で生まれたつながりが、苦しい場面でも崩れないチームの土台になっている。

藤田にとって、アメリカンフットボールは父親の影響で始めた競技だった。高校ではWRを志望していたが、任されたのはCB。高校では関東大会決勝で敗れた悔しさから慶應大でも競技を続けたが、ケガに苦しみ、チームが2部で戦った時期も経験した。目立った実績を残せず、卒業を区切りにヘルメットを脱ぐつもりだった。
「社会人でそんなに続ける気はなかったです。大学ではケガもありましたし、あまり試合にも出ていなかったので、もういいかなと思っていました」
それでも、そんな藤田にIBMが声をかけた。
「あまり試合に出ていない自分を求めてもらった。求められているなら、全力で頑張りたいと思って続けています」

一度は終わりかけた競技人生をつないでくれたチームだからこそ、勝利で恩返ししたいという思いは強い。社会人4年目を迎えた今、藤田は守備の中心として勝利に貢献し、ゲームMVPに選ばれるまでになった。自身を必要としてくれたIBMへの思いは、現在のチーム愛にもつながっている。