「ディフェンスあってこその挑戦」東京ガス板井HCが明かす攻撃改革と我慢の理由
東京ガスクリエイターズはXリーグプレミア第8節で富士フイルム海老名Minerva AFCを7対3で下し、今季3勝目を挙げた。攻撃はわずか7得点にとどまったものの、守備陣が相手をフィールドゴールの3点に抑えて接戦を制した。試合後、板井征人ヘッドコーチ(HC)は「僕らはディフェンスのチーム」と強調し、攻撃面での新たな挑戦と、勝利のためにあえて我慢を強いている現状を明かした。
「やっぱり僕らはディフェンスのチームなので」と、勝因を問われた板井HCは、迷わずそう答えた。富士フイルム海老名とは春から合同練習を重ねており、その成長を肌で感じていたという。選手層が厚くなり、フットボールへの理解度も高まっている相手だけに、厳しい試合になることは覚悟していた。
その中で、勝利を引き寄せたのは守備陣だった。板井HCは「みんなやりたいことがあると思うんですけど、ゲームプランに乗っかって、よく止めてくれました」と、規律を守り抜いた選手たちを評価した。
一方、攻撃では新たなスタイルを模索している。昨年加入したQB谷口雄仁を中心に、積極的に得点を狙うオフェンスへの転換を進めているのだ。「谷口が来てくれたからモデルチェンジして、点を取りにいくようなオフェンスを、一見雑な感じのやつにチャレンジはしていますけど、やっぱりディフェンスあってこその、そういうチャレンジなので」
ただし、その挑戦は決して自由奔放なものではない。板井HCによれば、谷口は積極的にパスを投げたいタイプだが、コーチ陣が意図的に制限をかけているという。「どんどんパスを投げたいところを、僕らコーチ陣が『ここは投げさせないように』とか、『投げるのを我慢してくれ』みたいな、すごい制限をかけているんです」
谷口自身もストレスを感じているだろうと認めながら、それでも勝つためには攻撃、守備、キッキングの3部門が協力することが必要だと説く。現状、攻撃の結果は出ていない。それでも、板井HCに焦りはない。「そこで粘って頑張っていれば、いずれ結果が出るし、もう出るような準備はできているんですよね」
第10節は、第9節のエレコム神戸ファイニーズ戦に続く関西遠征で、SEKISUIチャレンジャーズと対戦する。プレーオフ・ライスボウルトーナメント進出を争う上で、落とせない試合が続く。
「そんなにオフェンスで点を取れるわけじゃないと思うので、こんな感じの試合ができたら」と語る板井HCが求めるのは、華やかな攻撃で相手を圧倒する勝利ではない。守備を軸に粘り強く戦い、限られた得点機会をものにすること。その土台を崩さずに、谷口を中心とした新たな攻撃を育てていく。第8節の7対3の勝利は、東京ガスが目指すスタイルを象徴する一戦だった。