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「ようやく慣れてきた」IBM司令塔ライトが示した順応力とチームの成長

【パスを投げるIBM BIG BLUE新QBジャイヤ・ライト ©X LEAGUE】

IBM BIG BLUEのQBジャイヤ・ライトは5月23日のノジマ相模原ライズ戦で、パスで2タッチダウン、さらにランでは129ヤードを稼ぎ1タッチダウン。Xリーグプレミア第2節でインパクトを残した選手のひとりだったことは間違いない。それでも本人は、自らの数字を誇るより先に、「ようやくリーグに慣れてきた」と口にした。

「新しいリーグでは違いに順応しないといけない。今日は全体的に物事がうまく噛み合っていた」

5月3日の開幕戦から3週間。IBMは別チームのようだった。オフェンスにはテンポが生まれ、プレーコールにも迷いがなかった。今季から加入したQBライト自身も、開幕戦とは別人のようにスムーズにボールを運んでいた。特に印象的だったのはランだ。パスファーストを自認するQBながら、この日はデザインラン、スクランブルの両面でノジマ相模原守備陣を切り裂いた。もっとも、本人はそこでも「自分の力」とは言わない。

「オフェンスラインが本当に素晴らしかった。RBも含めて、みんなが役割を果たしてくれたから走れた」

派手な数字を残した直後にもかかわらず、ライトの視線は常に周囲へ向いていた。一方で、ジョン・スタントンHCが強調したのは、ライト自身の順応だった。

「ジャイヤはよく走ってくれた。多分何よりも、日本のフットボールのプレースタイルにだんだん慣れてきていると思う」

Xリーグは簡単なリーグではない。プレーの細部、タイミング、規律、そしてミスの少なさが勝敗を左右する。ライト自身も「どのチームも簡単には勝てないリーグだと思う。毎週タフな戦いになる」と表現した。メキシコリーグ(LFA)も経験したライトだが、Xリーグについては「選手たちの細部へのこだわりや集中力が高い」と語る。だからこそ、プレースピードも速い。

今季のXリーグにはLFA経験者が複数集まっている。SEKISUIチャレンジャーズのWRブギー・ナイトもそのひとりだ。ライトとナイトはルイジアナ大学モンロー校時代のルームメートであり、メキシコでもチームメートだった。ライトは「彼がIBMとの連絡をつないでくれた」と感謝する。

もっとも、そのエピソード以上に興味深いのは、メキシコリーグ経験者たちが今、日本のフットボールに順応し始めていることかもしれない。SEKISUI、エレコム神戸ファイニーズ、オービックシーガルズ―各チームに「メキシコ経由」の選手たちが散らばり、ライトとナイトを含む5人は、かつて同じチームで優勝も経験している。

【ランプレーでジャンプしてディフェンダーをかわすQBライト ©X LEAGUE】

サイズやフィジカルならメキシコリーグにもある。だが、ライトはXリーグについて「準備したチーム、映像を研究したチーム、ミスの少ないチームが勝つ」と話した。IBMは開幕戦で敗れた。しかし第2節では、ゲームプラン、遂行力、修正力のすべてが改善されていた。ライトも「第1節から第2節で成長できた」と繰り返す。その背景にあるのが、IBMのスローガン「GRIT」だ。Growth(成長)、Right now(今すぐ行動)、I will(自分がやる)、Toughness(タフさ)の頭文字をとったものだ。

ライトは試合後、同僚に讃辞を述べた。

「今日まさにチームのスローガンを体現できたと思う。成長、意志、タフさ。選手たちは自分の役割を果たしていたし、本当にタフだった」

3タッチダウンに絡む活躍を見せたQBが、最後に語ったのは自分のパフォーマンスではなかった。チームの成長だった。IBMはまだ完成形ではない。ただ、少なくともこの日、ライトは日本のフットボールへ確かな順応を見せた。